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[2008.03.20]

【Question -395】瑕疵を作れ。

考えるコンサル

昔、映画のカメラマンだった。
もう20年前の話である。
そのカメラマン時代。
師匠によく言われた撮影の心得のひとつに
「四隅だけ見ていろ」というのがあった。
ファインダーから見える映像の四隅。
 
その四隅に出物、ハレ物がないか、
そして、被写体は中央にキチン納まっているのか?
それは本当にくどいくらいに言われ続けた。
その言葉を今、趣味でランニング時にデジカメで撮影する時に
いつも思い出す。
 
さて、それで我が敬愛する上村先生の格言のごとく
フレームの真ん中に被写体を納めてみる。
先生に言われたことを忠実に行うと、こういう写真になる。
 
IMG_2221.JPG
 
 
・・・しかし、これって何を写しているのだろう?
当然、そこある祠と地蔵なのだが、
この画像の写しているモノは「在る」ということだ。
そこにただ「在る」イヤ、写真だから「在った」ということだろう。
 
先日、娘の小学校の卒業式に出席した。
自分がこういった商売をしているからか?
実に校長や教育委員会のお偉いさん、
そしてPTA会長、や町長などが祝辞を述べるのだが、
それがどれも詰まらない。
面白くないのだ。
 
それは型どおりの話だからである。
その型から何一つ出ていない。
キレイに納まっているからだ。
しかも、どいつもこいつも同じコトを言う。
同じ型。 (フレーム)
同じ内容。(被写体)
 
「夢を持って中学校生活を望んで欲しい」
まるで
ダメな会社の広告を見ているようだ。
当たり前の言葉が当たり前のフレームにキレイに納まっている。
 
じゃぁどうするのか?
同じ写真を別の型(フレーム)で撮影する。
それがこれだ。
 
IMG_2223.JPG
 
 
縦位置にしておもいきりカメラを上に向け空を入れてみた。
構図としてはあまり美しくないかもしれない。
しかし、これを美しいと感じるかどうかは
この空の「意味」。その定義である。
 
この上空に広がる空間を「空」という意味でとらえるか?
それとも単なるスペースとしてとらえるかで、
この型(フレーム)の見え方も変わる。
当然、私は「空」という意味でこの構図を採用した。
 
撮影したい被写体は祠でも地蔵でもない「空」である。
この写真において「空」が主役である。
そう言うとあなたもこの写真の見え方が変わってこないか?
それは「空」が意味を持ち、「空」としてそこに在るのだが、
その「意味」を鑑賞者である観る側は「わからない」というからだ。
この「わからなさ」を残すことで、
鑑賞者はその「空」の向こうにある意味を模索する。
 
「この「空」はなんだ」と。
 
もっとわかりやすい写真がこれだ。
 
IMG_1810.JPG
 
 
明らかに「空」を撮影することを目的としている。
そにて露出をアンダー気味にし、
ちょっと重苦しく、重圧感を持たせた空である。
 
この「空」はこの写真における「瑕疵」である。
「瑕疵」とは裂け目という意味である。
その裂け目はこの写し出された写真の世界から別の世界へ向けて
開いている。
その「瑕疵」を作ることが、写真の深みとなる。
それが被写体の向こう側を撮るということになるのではないか?
たまたま、事例は「空」
しかし、その「瑕疵」はまったく別のモノからもその世界の向こう側
その入口として開くことは出来る。
 
タイムマシンとしての「瑕疵」
 
「考えるコンサル」
「写真とは私たちのイマジネーションへの入口である」
別世界とは鑑賞者の内面である。
 
事実として「在った」としてでなく
その先の想像、イマジネーションの扉である。
 
 
 
■お疲れ様でした。
 
 今回のブログを持って、日刊「考えるコンサル」は
 会員制サイト「煽動」へ移行します。
 このページはこのまま存続しますが、
 2つのブログを毎日、書くほど激動な日常を送っていませんので、
 この「考えるコンサル」は不定期の更新とさせて頂きます。
 
 とりあえずここで中締めですね。
 長い間、お付き合い頂きありがとうございました。
 ちょっとデザインもリニューアルでもして、
 「考えないコンサル」というコーナーで
 ヨソと同じようなくだらない日記でも書きましょうか?
 ・・・冗談ですけど。
                  
                             今井 裕志
 
 
 
 
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